真空成形とは?
真空成形とは、プラスチックの熱成形の一種で、樹脂シートを加熱軟化させ、雌型に真空ポンプを使って吸着させて成形する方法です。
射出成形に比べ金型を安く製作することができ、多品種、小ロットにも対応できる、コストパフォーマンスとバリエーション製作に優れた成形方法だと言えます。
その他にもシルク印刷、二層成形(表裏別の素材)、布張りなども可能で、印刷に関してはシルク印刷後の成形も可能です。
真空成形で製作されている代表的な製品として、浴槽、冷蔵庫の内張り、看板、自販機の商品サンプル、ゲーム機の筐体、車の内装などがあり、弊社では主に洗面台のプラスチック部分を成形しています。
真空成形の工程(プラグアシスト・リバースドロー成形)
1.樹脂シートを押さえ、枠で樹脂の周囲を固定し、樹脂の表面・裏面を電熱ヒーターで加熱軟化させます(加熱時間と温度分布に技術が必要)。
2.ヒーターを外して、真空ボックスと樹脂シート枠を固定します。
3.樹脂シートの下側の真空ボックス側より微圧の空気を送り、風船のように軟化した樹脂シートを半球状に伸張します(図1)。
4.真空ボックス内の雌型を上昇させ、(型には微細な真空孔が各所に有り、型の内側より真空ポンプにてシートを吸引して成形します)同時にプラグを降下させます(図2、3)。プラグとは、木製の雄型の様なもので、表面に毛羽立った布を張ったものをいいます。主に肉厚調整のために使用するもので、プラグの作成には独自の技術が必要です。
5.真空成形した後プラグを上昇させ、続いて霧吹き送風機等で成形品を冷却します。
6.冷却後、雌型(真空成形型)より空気を送り込成形品から離型させて金型を降下させます。
7.クランプ枠を外して成形した製品を取り出します。この時製品の周囲にはクランプした材料がついています。
8.製品にするには周囲の材料を切り離して、穴あけ等の後加工をします。